過去問は厚労省ホームページより引用しております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_150873_139_140.html
第68回公衆衛生学AM90~94
90 院内の医療安全を確保するための措置に含まれないのはどれか。
- ヒヤリ・ハット事例を収集する。
- 安全管理のための職員研修を行う。
- 医療過誤を起こした職員を処罰する。
- 検査実施時に患者名の確認を遵守させる。
- 医療事故発生時に原因解明のための調査を行う。
解説:医療安全とは、医療事故や医療過誤のような医療トラブルを未然に防止し、安全な医療サービスを提供できる状態を作る取り組みのこと。これを念頭に設問をみていきましょう。
- ヒヤリハット(ヒヤっとしたり、ハッとしたり未然に気付くこと)事例を収集し、共有することで危機管理意識を向上させる
- 安全管理の講習会を開き、ヒヤリハット事例などを検討、周知する
- 検査実施時や採血時に患者名をマニュアルに沿って確認し、誤認を防ぐ(患者に名乗ってもらうなど)
- アクシデント発生の際には、原因を追究し、対策を検討し改善していく
- アクシデントを発生させた職員を処罰することはない(責任を追及しない)
答え:3
91 健康増進法に基づくがん検診で対象年齢が50歳以上であるのはどれか。
- 胃がん
- 肺がん
- 乳がん
- 大腸がん
- 子宮頸がん
解説:健康増進法の規定です。
- 胃がん ⇒ 50歳以上
- 肺がん ⇒ 40歳以上
- 乳がん ⇒ 40歳以上
- 大腸がん ⇒ 40歳以上
- 子宮頸がん ⇒ 20歳以上
厚労省のホームページリンクを載せようと思いましたが、複雑に記載されているのでやめておきました。気になる方は見てみてください。
答え:1
92 2019年の我が国の人口動態統計で10年前と比較して上昇しているのはどれか。
- 出生率
- 粗死亡率
- 自然増減率
- 乳児死亡率
- 年齢調整死亡率
解説:設問を簡単に説明していきます。
- 出生率
⇒人口千人に対する出生数の割合 - 粗死亡率
⇒一定期間の死亡数をその期間の人口で割った死亡率 - 自然増減率
⇒生まれた者の総数から亡くなった者の総数を引いた数値 - 乳児死亡率
⇒生まれてから満1歳になるまでに亡くなってしまった子どもの数を表した割合 - 年齢調整死亡率
⇒異なる集団の死亡率を比較する際、年齢構成が揃うように調整した死亡率
昨今に話題でよく出るように少子化が加速しているので「出生率、自然増減率」は確実に少なくなっているはずです。そして「乳児死亡率」も10年間の医療技術の向上により少なくなっていると予測できます。
調べてみるとわかるのですが、高齢化の影響で死亡率自体は上がっているようです。
年齢調整死亡率は減少しています。(ただし令和3年4年は増加しているとの記載しているサイトもある)厚労省ホームページが確実なので、気になる方はご確認ください。
「厚労省ホームページ」
令和5年度人口動態統計特殊報告
令和2年都道府県別年齢調整死亡率の概況https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/other/20sibou/index.html
答え:2
93 就学時健康診断に含まれないのはどれか。(不適問題)
- 聴 診
- 色覚検査
- 知能検査
- 歯および口腔検査
- 胸部エックス線撮影
解説:解答は2つあるとされているが、⑤の胸部エックス線撮影が、出題者は意図していた解答だと思います。自分が子供の時どうだったかなぁ?と考えてみてもある程度はわかりますが設問の中の「聴診、知能検査、歯科検査」は就学時に確実に行います。
色覚検査は学校保健法が2003年に改訂され、必須ではなくなりました。以降は希望者のみに実施など、“任意”という形が正しいのかもしれません。
レントゲンに関しても学校保健法の改定により削除され“大学生の入学時、院生の入学時”にのみ撮影するようになりました。
答え:5(2)
94 業務上疾病の原因で最も多いのはどれか。
- 負 傷
- 病原体
- 化学物質
- 作業態様
- 物理的因子
解説:これはいわゆる“時事ネタ”に左右されやすい悪問です。公衆衛生学の問題は回答が厚労省のホームページを見るとわかるものが多く、それを参考にしようとすると迷ってしまいます。
ですので、この問題の解釈とすれば「一般的な業務上疾病」という観点で考えることが肝要になってくるとおもいます。
一般的な業務上疾病の原因で最も多いのは“負傷”です。
近年はウイルス感染が流行していたので“病原体”もそれなりの件数になっている場合もありました。こういった特殊な時期にこういった問題を出すのはどうかな?と感じました。
答え:1