過去問は厚労省ホームページより引用しております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_150873_139_140.html
第67回PM
PM問題29:メタボリックシンドロームの診断基準に含まれるのはどれか。2つ選べ。
- 中性脂肪
- 遊離脂肪酸
- 総コレステロール
- HDL-コレステロール
- LDL-コレステロール
答えと解説
答え1と4
メタボリックシンドロームの基準をまとめてみました。
日本の内科医学会などの学会で定められた基準です。
何となく、メタボ基準は総コレとLDLかなぁとか考えてしまいがちなので、しっかり押さえておきましょう。
PM問題30:下垂体後葉ホルモンはどれか。2つ選べ。
- オキシトシン
- 甲状腺刺激ホルモン
- 成長ホルモン
- バソプレシン
- プロラクチン
答えと解説
答え1と4
下垂体ホルモンについてまとめてみました。
★下垂体前葉から分泌されるホルモン
- GH(成長ホルモン)
- ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)
- TSH(甲状腺刺激ホルモン)
- LH(黄体形成ホルモン)
- FSH(卵胞形成ホルモン)
★下垂体後葉から分泌されるホルモン
- オキシトシン
- バソプレシン(抗利尿ホルモン、ADH)
PM問題31:心筋梗塞発症時に最も早く上昇するのはどれか。
- LD
- CK-MB
- 心筋トロポニン T
- 心筋ミオシン軽鎖
- 心臓型脂肪酸結合蛋白(H-FABP)
答えと解説
答え5
★心筋梗塞で増加する心筋マーカー順
み(ミオグロビン)
はっ(H-FABPとWBC)
と(トロポニンT)
くき(CK)
あ(AST)
る(LDH)
この語呂を覚えていれば、すぐに答えられますね。
PM問題32:Michaelis-Menten の式について正しいのはどれか。
ただし、[S]:基質濃度、v:速度、Vmax:最大反応速度、Km:Michaelis 定数とする。
- Km 値の単位は mg/dL で表す。
- 0次反応領域で Vmax がえられる。
- Km値とはVmaxの1/3の速度をあたえる [S]を意味する。
- [S]がKm値に対して著しく低いときv=Vmaxに近似する。
- 終点分析法で反応時間を早めるには Km値が大きい酵素を使用する。
答えと解答
答え2
まずはミカエリスメンテンのグラフを見てみましょう。
Km値やVmaxなどの設問は頻出です。設問を訂正してみましたのでグラフを見ながら考えていきましょう。
- Km値はミカエリス定数ですが、実は1/2Vmax時の基質濃度です。よって単位はmol/L
- 酵素は基質で飽和した状態を0次反応という。=Vmax(それ以上反応速度は伸びない)
- Km値とはVmaxの1/2の速度をあたえる [S]を意味する。
- [S]がKm値に対して著しく高いときv=Vmaxに近似する。
- 終点分析法で反応時間を早めるには Km値が小さい酵素を使用する。(小さいと親和性が高い)
PM問題33:ホルモンと生理作用の組合せで正しいのはどれか。
- インクレチン 抗利尿作用
- オキシトシン 抗アレルギー作用
- コルチゾール 子宮収縮作用
- バソプレシン インスリン分泌促進作用
- アンジオテンシンⅡ 血管収縮作用
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答え5
それぞれ正しい組み合わせに直してみます。
- インクレチン:インスリン分泌作用
- オキシトシン:乳汁分泌や子宮収縮作用
- コルチゾール:血圧上昇作用、糖新生、たんぱく質代謝、脂肪分解、免疫抑制作用
- バソプレシン:抗利尿作用
- アンジオテンシンⅡ:血管収縮作用(血圧上げる)
難しく感じますが、病院で働いているとよく見る項目ばかりです。覚えておいた方がよいでしょう。
PM問題34:電磁波はどれか。2つ選べ。
- β 線
- γ 線
- 赤外線
- 電子線
- 陽子線
答えと解説
答え2と3
まず、電磁波とは何か調べてみました。
電磁波とは電界と磁界が相互に作用して組み合わさり、空間を伝達する波のこと。
電磁波の分類をまとめてみました。
- 放射線(γ線・X線)
- 光(紫外線・可視光線・赤外線)
- 電波
- 電磁界
PM問題35:上昇するアイソザイムと疾患の組合せで正しいのはどれか。
- ALP1 閉塞性黄疸
- ALP2 悪性腫瘍の骨転移
- ALP3 肝硬変
- ALP4 腎不全
- ALP5 潰瘍性大腸炎
答えと解説
答え1
ALPアイソザイムについてまとめてみました。
まずALPは5つのアイソザイムがあることを知って、どの臓器由来であるのか、どういった疾患で上昇するのかを覚えましょう。
PM問題36:日本臨床化学会(JSCC)勧告法で共役酵素を用いないのはどれか。
- AST
- AMY
- CK
- ChE
- γ-GT
答えと解説
答え5
共役酵素を用いない項目をまとめました。ついでに共役酵素の紹介も。
共役酵素とは
- 酵素測定において、測定したい目的酵素以外に用いられる酵素のこと
★共役酵素を用いない項目
- LDH
- ALP
- γ-GTP
測定原理を全て把握するのは難しいです。国家試験の過去問で出題された内容をしっかりと覚えていきましょう。
PM問題37:ビタミンについて正しいのはどれか。2つ選べ。
- ビタミン A は抗酸化作用がある。
- ビタミン D は骨代謝に関与する。
- ビタミン C は視覚の正常化に関与する。
- ビタミン E はコラーゲンの形成に関与する。
- ビタミン B6 はアミノトランスフェラーゼの補酵素となる。
答えと解説
答え2と5
ビタミンの作用についてまとめてみました。
★水溶性ビタミン
★脂溶性ビタミン
ビタミンは頻出なのでしっかり覚えておきましょう。
PM問題38:必須アミノ酸でないのはどれか。
- セリン
- バリン
- リジン
- メチオニン
- トリプトファン
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答え1
アミノ酸のまとめです。必須アミノ酸は赤丸で囲っているものです。
語呂合わせが一応あります。
★必須アミノ酸語呂合わせ
ふ(フェニルアラニン)ろ(ロイシン)ば(バリン)い(イソロイシン)す(スレオニン)ひ(ヒスチジン)と(トリプトファン)り(リシン)じめ(メチオニン)
PM問題39:血液中で蛋白質と結合して存在しているのはどれか。
- 尿 素
- アンモニア
- クレアチン
- ビリルビン
- クレアチニン
答えと解説
答え4
ビリルビンはアルブミンと結合して肝臓に運ばれる。
アルブミンが運ぶものをまとめてみました。
- ビリルビン(間接ビリルビン+Alb→肝へ→D-BilLへ)
- カルシウム(約40%はAlbと結合して血中に)
- 遊離脂肪酸(70~80%がAlbと結合して血中に)
PM問題40:血清 10 μL を使用して 10 分間の酵素反応を行ったところ、10 nmol の基質量が変化した。酵素量(U/L)はどれか。
- 1
- 10
- 100
- 1,000
- 10,000
答えと解説
答え3
公式①に代入していきましょう。
x=10×10-9/10×10-6×10
X=10-8/10-4
※10-8をμmolに直すと10-2μL(μは1×10-6)
=100
PM問題41:病原体の構成成分で検査に用いられるのはどれか。2つ選べ。
- プレセプシン
- エンドトキシン
- プロカルシトニン
- アミロイド A 蛋白
- (1→3)-β-D-グルカン
答えと解説
答え2と5
問題文の表現がやや不明ですが、検査項目の由来成分を聞いています。
- エンドトキシン:グラム陰性菌の細胞壁を構成する多糖類
- (1→3)-β-D-グルカン:真菌の細胞壁を構成する多糖類
- プレセプシン:敗血症マーカー
- プロカルシトニン:敗血症マーカー
- アミロイドA蛋白(SAA):炎症反応マーカー(CRPより感度が高く、ウイルス感染やSLEなどで反応する)
PM問題42:尿を検体として測定するのはどれか。
- オステオカルシン
- デオキシピリジノリン
- 骨型アルカリホスファターゼ
- 酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ5b 型
- Ⅰ型プロコラーゲン N 末端プロペプチド
答えと解説
答え2
骨形成と骨吸収マーカーをまとめてみました。
PM問題43:ケトン基を有するのはどれか。2つ選べ。
- 乳 酸
- グリシン
- グルコース
- ピルビン酸
- フルクトース
答えと解説
答え4と5
ケトン基:=C=Oをもつもの。
構造式を知っていないと解きようがありませんね。正答させる気がないと感じます。
この問題を機に、ピルビン酸とフルクトースはケトン基を持つと覚えてしまいましょう。
★ケトン基(=C=O)を持つもの
- ケト酸(ピルビン酸、オキサロ酢酸、αケトグルタル酸、アセト酢酸など)
- ヘキソース(フルクトース)、ペントース(キシルロース)
- 他にも多数あり(アセトン、ほとんどの〇〇ケトンと名のつく化合物)
PM問題44:腎糸球体障害の指標となる検査項目はどれか。2つ選べ。
- 血清エリスロポエチン
- 血清クレアチニン
- 血清シスタチン C
- 尿中 N-アセチルグルコサミニダーゼ(NAG)
- 尿中 β2 -ミクログロブリン
答えと解説
答え2と3
腎・泌尿器系の検査項目です。
腎機能、腎糸球体機能、近位尿細管機能はそれぞれ別です。
- 血清エリスロポエチン:腎機能
- 血清クレアチニン:腎糸球体機能
- シスタチンC:腎糸球体機能
- NAG:近位尿細管機能
- 尿β2-M:近位尿細管機能