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国家試験臨床検査医学総論PM問11~15です。
過去問は厚労省ホームページより引用しております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_150873_139_140.html
国家試験の過去問解説のまとめページです
第68回臨床検査医学総論PM問11~15
ビタミンの問題は臨床化学でも頻出です。しっかり覚えておきましょう
11 末神経障害を呈するのはどれか。
- Alzheimer 病
- Creutzfeldt-Jakob病
- Guillain-Barré症候群
- Parkinson 病
- Wilson 病
解説:疾患と障害される神経を調べてみました。
- Alzheimer 病(アルツハイマー)⇒中枢神経系に早期に障害(アミロイドβ)
- Creutzfeldt-Jakob病(クロイツフェルト-ヤコブ)⇒異常プリオンが中枢神経系に蓄積
- Guillain-Barré症候群(ギランバレー)⇒末梢神経の障害
- Parkinson 病(パーキンソン)⇒中枢神経の変性障害
- Wilson 病(ウィルソン)⇒銅の代謝異常による中枢神経の障害
知らないと解けないので、設問だけでも把握しておきましょう。
答え:3
12 染色体検査が診断に有用なのはどれか。
- 血友病A
- サラセミア
- Gaucher 病
- Turner 症候群
- フェニルケトン尿症
解説:染色体異常の疾患も頻出なのでしっかり把握しておきましょう。
Turner 症候群(ターナー症候群)が性染色体異常であり、染色体検査が有用です。
答え:4
13 ROC曲線の縦軸と横軸の組合せで正しいのはどれか。
左:縦軸 右:横軸
- 感 度 特異度
- 特異度 感 度
- 感 度 偽陽性率
- 偽陽性率 感 度
- 偽陽性率 特異度
解説:ROC曲線の基礎がわかっていれば即答できます。
ROC曲線とは感度(真陽性率)と1-特異度(偽陽性率)の関連を表す曲線のこと
上図のように表されます。ROC曲線を突き詰めると難しい話になりますので、ここではこれまでに抑えておきます。
答え:3
14 関節リウマチの診断に用いられるのはどれか。
- 抗CCP抗体
- 抗GAD抗体
- 抗SS-A抗体
- 抗サイログロブリン抗体
- 抗アセチルコリン受容体抗体
解説:様々な抗体検査についての知識を聞いてきています。
どれも有名な抗体ですので、全て把握しておく必要があります。
- 抗CCP抗体:関節リウマチ
- 抗GAD抗体:糖尿病(1型)
- 抗SS-A抗体:シェーグレン症候群に高率に認められるほか、SLEや強皮症でも使われる
(抗SS-B抗体も同時に出されることが多い) - 抗サイログロブリン抗体 甲状腺疾患(バセドウ病や橋本病など)
- 抗アセチルコリン受容体抗体 重症筋無力症
関節リウマチでは、抗CCP抗体の他にRF(リウマトイドファクター)、MMP-3、CRPや血沈などの炎症マーカーなども測定されます。
答え:1
15 分子標的薬投与の決定にERBB2(HER2)増幅の検索を行うのはどれか。
- 乳癌
- 卵巣癌
- 子宮頸癌
- 子宮体癌
- 前立腺癌
解説:HER2(human epidermal growth factor receptor)増幅の検索を行うものは乳がんや胃がんである
★HER2
- 局在部位
細胞膜 - 陽性となる疾患
乳癌、胃がん
その他よく出るマーカーのBRCA1/2増幅の検索が行われるのは乳がんや卵巣がんで、病的な変異が確認された場合「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)」と診断される
答え:1