過去問は厚労省ホームページより引用しております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_150873_139_140.html
第69回臨床検査総論PM問1~10
問題 1 尿沈渣の無染色標本(別冊 No.1)を別に示す。矢印が示す構造物はどれか。
- 尿 酸
- シスチン
- ビリルビン
- リン酸カルシウム
- シュウ酸カルシウム
解説:シスチン結晶です。特徴は無色の六角板状の形状を呈する。酸性尿で認められる。
確認方法は、塩酸、水酸化カリウム、アンモニア水で溶解する。角は120度が特徴。
答え:2
問題 2 結核性髄膜炎において、髄液の測定値が低値となるのはどれか。2 つ選べ。
- 圧
- 糖
- 蛋 白
- クロール
- アデノシンデアミナーゼ
解説:結核性髄膜炎の検査所見において圧は増加、糖は低下、蛋白は増加、クロールは低下、アデノシンデアミナーゼは増加する。したにまとめの表を付けますので参考にしてください。
答え:2と4
問題 3 PCR 法の原理で正しいのはどれか。
- 熱変性は 60℃前後で行う。
- 2 種類のプライマーを用いる。
- 増幅反応は 50 サイクル前後で行う。
- 伸長反応は 3’ → 5’ 方向に相補鎖を合成する.。
- 定量 PCR 法では標的 DNA 量が多いほど Ct 値が大きい。
解説:
答え:2
問題 4 出生児における染色体異常のうち最も発生数が多いのはどれか。
- 13 トリソミー
- 18 トリソミー
- 21 トリソミー
- 45,X
- 47,XXY
解説:染色体異常をまとめてみました。発生数まで覚えるとなると中々大変なので、1番多い、1番少ないで覚えるといいでしょう。
答え:3
問題 5 囊虫症をきたすのはどれか。
- 小形条虫
- 無鉤条虫
- 有鉤条虫
- 日本海裂頭条虫
- クジラ複殖門条虫(大複殖門条虫)
解説:嚢虫症、つまり嚢虫を経るのは無鉤条虫か有鉤条虫であり、人体内で虫卵から囊虫に発育するのは有鉤条虫。
解 答 3
問題 6 77 歳の男性。西日本在住。農作業で虫に刺されたため診療所を受診し、マダニ咬症と診断された。3 日後に 39℃の発熱があり再診した。考えられる疾患はどれか。
- 日本脳炎
- 発疹チフス
- ツツガムシ病
- デング出血熱
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
解説:節足動物媒介性の疾患についての問題ですが、ルーチンでもマダニ咬症はよく出るのでしっかり覚えておきましょう。致死率も高い危険な感染症です。
★節足動物媒介性の疾患
- 日本脳炎、デング出血熱 → 蚊が媒介するウイルス感染症
- 発疹チフス → シラミが媒介するリケッチア感染症
- ツツガムシ病 → ダニの若虫であるツツガムシが媒介するオリエン
ティア感染症 - 重症熱性血小板減少症候群(SFTS) → マダニが媒介する発熱性疾患
(4類ウイルス感染症)
答え:5
問題 7 滲出性胸水の所見はどれか。
- 無色透明
- 比重 1.010
- 細胞数 50/μL
- LD 比(胸水/血清)0.8
- 蛋白比(胸水/血清)0.2
解説:穿刺液の鑑別ポイントを押さえておけばOKです。ちなみに読み方は滲出液(しんしゅつ)、漏出液(ろうしゅつ)です。
答え:4
問題 8 真核生物における mRNA の開始コドンはどれか。
- AUG
- CUG
- GUC
- UAC
- UAG
解説:
★コドンとは
コドンとは核酸の塩基配列が、タンパク質を構成するアミノ酸配列へと生体内で翻訳されるときの、各アミノ酸に対応する3つの塩基配列のこと
主にmRNAの塩基配列を指している
真核生物mRNAの開始コドンは AUG(メチオニン)。開始コドンは蛋白質の合成開始を指定するコドンのこと。
mRNA の塩基配列で 3 つの塩基(コドン)は 1 つのアミノ酸をコードする。この関係を遺伝暗号と称する。
設問を見ていくと、CUG(ロイシン)は例外的に開始コドンとなることがある。
GUC はバリン、UAC はチロシンをコードする。UAG は終止コドンとなる。
答え1
問題 9 尿定性試験紙法でアスコルビン酸による影響がないのはどれか。
- 潜 血
- 蛋 白
- 亜硝酸塩
- ブドウ糖
- ビリルビン
解説:よく出る問題です。尿試験紙におけるアスコルビン酸(ビタミンC)の影響についての問題です。
設問を見ると、尿蛋白だけが該当しません。
答え:2
問題 10 発現蛋白の機能亢進により発がん性を発揮するのはどれか。
- APC
- BRCA1
- MYC
- RB1
- TP53
解説:がん遺伝子の問題です。
答え:3