過去問は厚労省ホームページより引用しております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_150873_139_140.html
国家試験の過去問解説のまとめページです
第70回公衆衛生学PM90~94
90 食中毒の原因菌と原因食品の組合せで正しいのはどれか。
- ウェルシュ菌 シチュー
- 腸炎ビブリオ はちみつ
- ボツリヌス菌 生魚介類
- 黄色ブドウ球菌 生 肉
- カンピロバクター おにぎり
解説:食品と病原菌の組み合わせの問題ですが、臨床検査技師国家試験だけに留まらず、看護師や管理栄養士の国家試験にもよく出ている問題です。大体出る菌は選択肢のものだと思いますので、ここでしっかり覚えておきましょう。(実生活でも役に立つし笑)
- ウェルシュ菌 ⇒ シチューやカレー
嫌気性の芽胞形成菌です。耐熱性の芽胞を形成するため加熱料理に耐え、嫌気性条件になりやすいカレーやシチューでよく発生する。 - 腸炎ビブリオ ⇒ 魚介類の生食
近海産のアジやサバ、タコやイカ、赤貝などの内臓やエラなどに付着しており、これらを「さしみ」などで生食すると感染する。 - ボツリヌス菌 ⇒ はちみつ、缶詰ビン詰、真空包装食品、自家製のいずし
腸内環境が整っていない1歳未満のはちみつ摂取による「乳児ボツリヌス症」が有名。成人は他の腸内細菌が優勢に働くため、はちみつを食べても問題ない。 - 黄色ブドウ球菌 ⇒ おにぎり、弁当、調理パンなどの手指を介する食品
エンテロトキシンにより食中毒となる。黄色ブドウ球菌自体は加熱で死滅するが、この毒素は100℃20分でも分解されない。 - カンピロバクター ⇒ 加熱不足な鶏肉など
カンピロは家畜の腸内常在菌です。
その他食中毒との組み合わせを一応以下に示します。
- サルモネラ属菌 ⇒ 卵、鶏肉
- 腸管出血性大腸菌 ⇒ 加熱不足の牛肉、井戸水
- セレウス菌 ⇒ チャーハン、ピラフ、焼きそば、パスタなど
- リステリア・モノサイトゲネス ⇒ 加熱していない乳製品
- エルシニア・エンテロコリチカ ⇒ 食肉、加工乳など
- 赤痢菌 ⇒ 汚染された食品
- ノロウイルス ⇒ 二枚貝(牡蠣など)
答え:1
91 要介護認定の申請先はどれか。
- 主治医
- 市区町村
- 都道府県
- 介護認定審査会
- 介護老人保健施設
解説:対象者の介護はどの程度のものが必要なのか、「市区町村が要介護認定」を行っている。
また、要介護認定の際、「主治医意見書」というものが使用される。
そして、「要介護度」は介護認定審査会による二次判定で決定される。
- 都道府県は介護保険においては国の指針に従い、市町村を指導援助する役割を担っている。
- 介護老人保健施設(老健)とは医師の指示のもと、リハビリテーションや看護・介護を提供して在宅復帰、在宅療養支援のための地域拠点となる施設のこと。
答え:2
92 医療法に基づいて設置されるのはどれか。
- 保健所
- 保険薬局
- 特定機能病院
- 特別養護老人ホーム
- 精神保健福祉センター
解説:それぞれの施設がどの法律に基づいて設置されるのかをまとめてみました。
- 保健所 ⇒ 地域保健法
- 保険薬局 ⇒ 医薬品医療機器等法
- 特定機能病院 ⇒ 医療法
- 特別養護老人ホーム ⇒ 老人福祉法
- 精神保健福祉センター ⇒ 精神保健福祉法
ちなみに、医療法に基づいて設置されるのは「特定機能病院、地域医療支援病院、臨床研究中核病院」の3種類の病院とされています。
答え:3
93 感染症法に基づく入院勧告の対象となるのはどれか。
- 麻 疹
- コレラ
- マラリア
- エボラ出血熱
- 後天性免疫不全症候群〈AIDS〉
解説:「感染症法」に基づく入院勧告の対象となるのは1類または2類感染症です。
厚労省ホームページに感染症の分類と考え方というPDFページがありますのでリンク貼ります。https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000957753.pdf
選択肢を分類別にすると以下の通りです。
- 麻疹は5類感染症
- コレラは3類感染症
- マラリアは4類感染症
- エボラ出血熱は1類感染症
- 後天性免疫不全症候群(AIDS)は5類感染症
有名な感染症を下にピックアップします。
- 一類感染症 ⇒ エボラ出血熱、ラッサ熱、ペスト
- 二類感染症 ⇒ 結核、SARS、MERS、鳥インフルエンザ
- 三類感染症 ⇒ コレラ、チフス、赤痢
- 四類感染症 ⇒ 狂犬病、マラリア、デング熱
- 五類感染症 ⇒ インフルエンザ、性器クラミジア、梅毒、AIDS、麻疹
答え:4
94 三次予防はどれか。
- 職業訓練
- 保健指導
- 予防接種
- 人間ドック
- 新生児マススクリーニング
解説:予防医学の概念をまとめます。
- 一次予防とは、生活習慣の改善、健康教育、予防接種などの病にかからないように施す処置や指導のこと
⇒「予防接種、保健指導」など - 二次予防とは、健康診断などの早期発見、早期治療を促して病が重症化しないように行われる処置や指導のこと
⇒「人間ドック、新生児マススクリーニング」など - 三次予防とは、治療過程において保健指導やリハビリテーションを行うことにより社会復帰を促したり、再発を防止したりする取り組みのこと
⇒「職業訓練」はリハビリの一種にあたる
職業訓練はリハビリテーションにあたるのが意外な所であり解答です。
また、新生児マススクリーニング検査では、先天性代謝異常の有無などを確認しています。
答え:1
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