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【臨床検査技師国家試験】第69回AM臨床血液学【解説】

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国家試験臨床血液学AM問59~67です。

過去問は厚労省ホームページより引用しております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_150873_139_140.html

国家試験の過去問解説のまとめページです

臨床検査技師国家試験解説集 

第69回臨床血液学AM59~67

59:正しいのはどれか

  1. Bリンパ球は胸腺で成熟する。
  2. 髄外造血は胎生期に認められる。
  3. 免疫グロブリンは肝臓で合成される。
  4. エリスロポエチンは骨髄で産生される。
  5. トロンボポエチンは脾臓で産生される。

解説:細胞の造血についてまとめてみました。

★随外造血:骨髄以外の部位での造血を称する。

  • 胎生期:卵黄嚢が主体、次いで肝臓、脾臓で行われる。
  • 出生時:ほとんどが骨髄造血となる。それ以降は随外造血は異常とされる。
  • 胸腺で成熟するのはTリンパ球
  • 骨髄で成熟するのがBリンパ球
  • 免疫グロブリンは形質細胞で産生される
  • エリスロポエチンは腎層で産生される
  • トロンボポエチンは肝臓で産生される

回答:2

60:血液塗抹標本の染色法について誤っているのはどれか。

  1. 正常赤芽球は PAS 染色で陰性となる。
  2. 鉄染色は鉄芽球性貧血の診断に有用である。
  3. May-Giemsa 染色は細胞形態の観察に適する。
  4. 成熟好中球はペルオキシダーゼ染色で陽性となる。
  5. 特異的エステラーゼ染色はフッ化ナトリウムで阻害される。

解説:各種染色のまとめです。

  • PAS染色:多糖類の染色法でシッフ試薬、1%過ヨウ素酸水溶液が用いられる。
    赤白血病(M6)の赤芽球はびまん性、顆粒状に染めだされる。
  • 鉄染色:貯蔵鉄(ヘモジデリン)や赤血球、赤芽球の非ヘモグロビン鉄の観察に用いられる。(鉄芽球性貧血)
    鉄染色陽性顆粒が認められる細胞は含鉄赤血球(シデロサイト)、含鉄赤芽球(シデロブラスト)、マクロファージなど。
    鉄染色陽性となるものは細胞内のフェリチン、ヘモジデリンで、ベルリン青染色で青色となる。
  • メイーギムザ染色:細胞形態の観察に適する。
    メイ・グリュンワルド液で固定後、リン酸緩衝液を加えて染色し、水洗後、ギムザ希釈液で後染色する。(通常検査で最もメジャーな染色)
  • ペルオキシダーゼ染色(POX):急性白血病の病型分類、診断に用いる
    アウエル小体(アズール顆粒が結晶化したもの)はPOX陽性。
    顆粒系細胞(好中球、好酸球、好塩基球)が陽性、単球は弱陽性、リンパ球系は陰性であり、細胞の鑑別に用いられる
    骨髄芽球と単芽球ではPOX陽性のものと陰性のものがある
    FAB分類におけるAMLでPOXはM0(急性最未分化型骨髄芽球性白血病)、M5a(急性単球性白血病)、M7(急性巨核芽球性白血病)は陰性を示す。
  • 特異的エステラーゼ染色:単球系と顆粒系の幼弱細胞の鑑別に有効
    好中球が陽性となるが、非特異的エステラーゼ染色では単球が陽性となる
    フッ化ナトリウムで阻害されるのは、非特異的エステラーゼ染色

答え:5

61:赤血球沈降速度が遅延するのはどれか。 2 つ選べ。

  1. 関節リウマチ
  2. 真性赤血球増加症
  3. ネフローゼ症候群
  4. 原発性マクログロブリン血症
  5. 先天性無フィブリノゲン血症

解説:赤沈の臨床的意義と、原理をまとめました。

  • 赤血球沈降速度(ESR)は赤血球が沈んでいく早さを観察する検査で、炎症の有無を検索する。

【原理】赤血球の表面は豊富なシアル酸の存在により陰性に荷電しており、反発のため凝集しにくい状態にある。
簡単に言うと、赤血球はマイナス磁石のようなものということ。

マイナスなので、プラスのものとは引き合うし、マイナスのものは反発しあう。
フィブリノゲンや免疫グロブリン(抗体)はプラスなので、それらが増える病態だと赤血球同士の反発が減弱し凝集能、連銭形成能亢進により赤沈が促進する。

貧血の場合も、マイナスの赤血球が減るので反発力が減り、赤沈が亢進する。
その逆反応としてフィブリノゲンの減少や赤血球増多では、赤沈は遅延する。

答え:2と5

62:自動血球計数測定値の誤差要因とその影響の組合せで正しいのはどれか。 2 つ選べ。

  1. 寒冷凝集素 -赤血球数偽低値
  2. 巨大血小板 -血小板数偽高値
  3. 破砕赤血球 -血小板数偽低値
  4. 有核赤血球 -白血球数偽低値
  5. クリオグロブリン -白血球数偽高値

解説:自動血球計数測定値の誤差は、ルーチンでもよく見ることなのでしっかりと覚えて理解しておきましょう。
フローサイトメトリーの原理は簡単にいうと細胞の大きさで判断しているので、そこで測定結果に誤差が生じてきます。

自動分析装置での測定誤差要因

  • 寒冷凝集素→低温で赤血球が凝集するためRBC数が偽低値になる。37度程度に温めると赤血球はほぐれて元に戻る。また、ルーチンではCBCデータのMCHCなどが37を超えてくるのでそれらも参考にする。
  • 巨大血小板→血小板であるにも関わらず、大きすぎるためRBCとして測定してしまうため、血小板数が偽低値を示す。RBC(8μm)を超えると巨大血小板になる。
  • 破砕赤血球→破砕赤血球を血小板として測定してしまうため、偽高値となる。
  • 赤芽球(有核赤血球)の出現→有核赤血球の核の部分をWBCとして測りこんでいる可能性がある。多量に出現している場合はWBC数を補正する必要もある。
  • クリオグロブリン→メイギムザ染色で、白っぽい粒子状の血小板に類似した形態を示す異常免疫グロブリン(M蛋白)ですが、出現するとWBC、RBC、PLT全てで偽高値が生じる可能性があります。37度に加温すると消失します。

答え:1と5

63:引きガラス(ウェッジ)法での末梢血液塗抹標本の作製について誤っているのはどれか。

  1. 大型細胞は引き終わりに分布しやすい。
  2. 塗抹後は速やかに温風で十分に乾燥させる。
  3. 塗抹の厚さは引きガラスの角度に影響される。
  4. 塗抹スピードが速いと塗抹面の長さは短くなる。
  5. 血球形態への影響を避けるため採血後速やかに作製する。

解説:

★引きガラス(ウェッジ)法の特徴

  • 大型細胞は引き終わりに分布しやすい
    →鏡検の開始に引き終わりを確認し、異常細胞がないか確認する
  • 塗抹後は冷風で乾燥させる
    →温風だと赤血球の変性や染色能低下の原因となる
  • 塗抹の厚さは引きガラスの角度に影響される
    →引きガラスを立てるように持つと厚くなり、寝かせて引くと薄くなる。
  • 塗抹スピードが速いと塗抹面の長さは短くなる
    →速く引くと短くなり、ゆっくり引くと長くなる(どちらも適さない)
  • 血球形態の影響を避けるため、採血後速やかに標本作成する
    →時間経過と共に血球が崩壊していくので、早ければ早いほど良い。
    (僕の病院では血液像の目視検査は当日のみ追加可能にしています)

答え:2

64:末梢血細胞の May-Giemsa 染色標本(別冊No. 11A)とフローサイトメトリの所見(別冊No. 11B)を別に示す。考えられるのはどれか。

  1. 急性単球性白血病
  2. 2.急性リンパ性白血病
  3. 成人 T 細胞白血病
  4. 慢性骨髄単球性白血病
  5. 5.慢性リンパ性白血病

解説:図11Aを見ると、リンパ球と思われる細胞が2つあり、もう1つはグンプレヒト細胞が観察できます。

グンプレフト細胞とは、細胞質が壊れ核のみが存在する細胞のことで、basket cell、smudge cellと呼ばれている。
塗抹標本作成時のアーチファクトであり、健常人標本でも2%程度の割合で認められる。
また、慢性リンパ性白血病でしばしば観察される。

11Bの図を見ると、慢性リンパ性白血病(CLL)に特徴的なCD5と23が陽性になっている。CD19と20も陽性であるが、国家試験レベルではCD5と23=CLLと覚えても問題ないと思います。また、Κ型とλ型もフローサイトメトリでわかる。11Bを見るとλ型であることがわかる。

答え:5

65:骨髄芽球に当てはまるのはどれか。 2 つ選べ。

  1. 核小体を認める。
  2. N/C 比が小さい。
  3. 二次顆粒を認める。
  4. 細胞質は好塩基性が強い。
  5. 核クロマチン構造が粗剛である。

解説:WBCの幼弱細胞(blast)に関する基礎知識問題です。鑑別点を押さえておけばさほど苦労せずに解けるでしょう。

★骨髄芽球(blast)の特徴

  • type1とtype2がある
  • 通常は骨髄のみに存在する(抹消塗抹に出現時点でAMLなどを疑う)
  • 核小体を認める
  • N/C比が大きい
  • 二次顆粒を認めない
  • 細胞質は好塩基性が強い
  • 核クロマチン構造は繊細である

答え:1と4

66:フィブリノゲンについて正しいのはどれか。 2 つ選べ。

  1. 急性炎症で上昇する。
  2. 血中で最も高濃度な蛋白質である。
  3. トロンビン時間法により測定される。
  4. 3 種類のペプチド鎖が 3 量体になった構造である。
  5. プラスミンで分解されると D ダイマーが遊離する。

解説:フィブリノゲンの特徴を知っておけば解ける問題です。一部かなりマニアックな内容がありますが、そこはわからなくとも解くことはできました。

★フィブリノゲン

  • 凝固蛋白質である
  • 基準値は200~400mg/dL
  • 急性相蛋白質で、炎症時に増加する
  • 測定法はトロンビン法を用いる
  • 活動性の肝障害で著減する
  • フィブリノゲンはAα鎖、Bβ鎖、γ鎖の3種のポリペプチドからなるパーツが重合した2量体
  • 第八因子はトロンビンの作用を受けて活性型となりCa2+の存在下で可溶性フィブリンを不可溶性フィブリンにかえる
  • Dダイマーはフィブリノゲンでなく、フィブリンの分解産物

答え:1と3

67:正しいのはどれか。

  1. ヘムには 3 価の鉄原子が含まれる。
  2. 鉄は血漿中でトランスフェリンに結合している。
  3. 赤血球における ATP 供給はクエン酸回路による。
  4. ヘモグロビンの酸素飽和性は pH が上昇すると減少する。
  5. 健常成人のヘモグロビンの約 50%をヘモグロビン A2 が占める。

解説:ヘモグロビン代謝系の問題です。化学と血液学に共通する内容があります。

  • ヘムには2価の鉄原子とポルフィリンからなる錯体
  • 血漿中ではトランスフェリンと結合している
  • RBCにはミトコンドリアがないため、ATP供給は解糖系からなる
  • Hbの酸素飽和度はpHが上がると増加し、下がると減少する
  • 健常成人のヘモグロビンの97%程がヘモグロビンAで占める。
    (胎児はヘモグロビンFが8割を占める)

答え:2

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