過去問は厚労省ホームページより引用しております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_150873_139_140.html
第66回PM
PM問題29:ある酵素のKm値が2mmol/L であるとき、最大反応速度(Vmax)の 98%を得るための基質終濃度[mmol/L]に最も近いのはどれか。ただし、下記のMichaelis-Menten の式が適用される。 $$ v=\frac{Vmax[S]}{Km+[S]} $$
- 25
- 50
- 100
- 200
- 400
答えと解説
答え3
グラフの98%Vmaxの時の基質濃度を問われています。
ミカエリスメンテンの式に代入していきましょう。
$$ 0.98Vmax=\frac{Vmax[S]}{2+[S]} $$
両辺をVmaxで除して
$$ 0.98=\frac{[S]}{2+[S]} $$
両辺に2+[s]を掛けて整理すると
[S]=0.98(2+[S])
[S]=1.96+0.98[S]
[S]-0.98[S]=1.96
[s]は1が省略されているので[S]-0.98[S]は0.02[S]
0.02[S]=1.96
[S]=98
PM問題30:膵Langerhans島から分泌されるのはどれか。2つ選べ。
- グルカゴン
- セクレチン
- エストロゲン
- ソマトスタチン
- コレシストキニン
答えと解答
答え1と4
- セクレチンは小腸から分泌される
- エストロゲンは卵巣から分泌される
- コレシストキニンは十二指腸から分泌される
PM問題31:放射線感受性が高いのはどれか。
- 筋肉組織
- 結合組織
- 脂肪組織
- 神経組織
- リンパ組織
答えと解説
答え5
画像出典:環境省HP
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h30kisoshiryo/h30kiso-03-02-06.html
この図より、造血系(リンパ組織や骨髄)が最も感受性が高く、次いで生殖器系なのがわかります。神経は一番低いですね。
PM問題32アミラーゼアイソザイムで正しいのはどれか。
- S 型は尿に排泄されない。
- 急性膵炎では S 型が上昇する。
- P 型は S 型よりも分子量が大きい。
- 流行性耳下腺炎では P 型が上昇する。
- 腎不全では P 型、S 型ともに上昇する。
答えと解説
答え5
AMYについてまとめてみました。
★AMYについて
- 加水分解酵素
- 人にはα-アミラーゼのみ存在
- 多糖類のα-1,4-グリコシド結合を内部からランダムに切断するエンド型の消化酵素
- 活性中心はCa
- Clで活性化する
- 分子量はALBより小さく糸球体で濾過される
- 半減期は2~4時間
★AMYアイソザイム
- P型(pancreas)は膵臓由来:膵炎で上昇
- S型(salivary)は唾液腺由来:唾液腺炎、耳下腺炎など
- 腎不全ではP形もS形も上昇する
- 分子量はS型>P型
- 尿中にはS型もP型も排泄される
PM問題33:骨吸収マーカーはどれか。2つ選べ。
- オステオカルシン(OC)
- 骨型アルカリホスファターゼ(BAP)
- 酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRAcP-5b)
- デオキシピリジノリン(DPD)
- プロコラーゲン・ペプチド
答えと解説
答え3と4
この図より、DPDとTRACP-5bが吸収マーカーだとわかります。
PM問題34:原発性副甲状腺機能亢進症で認められないのはどれか。
- 病的骨折
- 低リン血症
- 高カルシウム血症
- 代謝性アシドーシス
- 活性型ビタミン D3 合成低下
答えと解説
答え5
副甲状腺機能のまとめです。
正答の「活性型ビタミン D3 合成低下」は二次性(間接性)の副甲状腺機能亢進症で見られます。
PM問題35:心筋梗塞の心筋マーカーとして適切でないのはどれか。
- LD3
- CK-MB
- トロポニン T
- ミオシン軽鎖
- 心臓型脂肪酸結合蛋白(H-FABP)
答えと解説
答え1
★心筋梗塞で増加する心筋マーカー
見張っとく気ある?の語呂で覚えれます。
- み(ミオグロビン)
- はっ(H-FABPとWBC)
- と(トロポニンT)
- くき(CK)
- あ(AST)
- る(LDH)
この時点で、①と④に絞ることができます。
LD3は心筋ではなく腫瘍性の疾患で増加です。ミオシン軽鎖は心筋マーカーです。
LDアイソザイムのまとめはこちら
PM問題36:日本臨床化学会(JSCC)勧告法で、ヘキソキナーゼとグルコース-6-リン酸脱水素酵素の共役により測定されるのはどれか。
- CK
- AST
- ALP
- γ-GT
- アミラーゼ
答えと解説
答え1
CKの試薬反応です。ヘキソキナーゼとグルコース-6-リン酸を共役酵素とするのはCKなので覚えておきましょう。
PM問題37:アミノトランスフェラーゼのホロ化に必要なのはどれか。
- コバラミン
- ピリドキシン
- リボフラビン
- トコフェロール
- ニコチンアミド
答えと解答
答え2
- アミノトランスフェラーゼ(アミノ転移酵素)とは何か
- ホロ化とはなにか
- ホロ化に必要な補酵素はなにか
これらがわかって初めて解ける問題です。
まずアミノトランスフェラーゼは「AST、ALT」のことです。
そしてホロ化とは、アポ酵素が補酵素と反応した酵素の事をいい、ホロ酵素といいます。
AST、ALTの補酵素はピリドキサールリン酸(ビタミンB6:ピリドキシン)です。
PM問題38:慢性腎臓病(CKD)の病期分類に用いられる検査項目はどれか。2つ選べ。
- 尿浸透圧
- 尿糖定量値
- 糸球体濾過量
- 尿蛋白定量値
- 尿素窒素/クレアチニン比
答えと解説
答え3と4
CKDの分類は、糸球体ろ過量(E・GFR区分)と尿蛋白区分でG1~5までに分類される
PM問題39:水酸基をもつアミノ酸はどれか。2つ選べ。
- セリン
- プロリン
- スレオニン
- メチオニン
- アスパラギン酸
答えと解説
答え1と3
この図の親水性を見てみよう。セリン、トレオニン、チロシンがOH基を持っており、親水性がある。
PM問題40:酸化的脱アミノ反応に関与しているのはどれか。
- アルギナーゼ
- グルタミン酸デヒドロゲナーゼ
- アルギニノコハク酸シンセターゼ
- カルバモイルリン酸シンセターゼ
- アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
答えと解説
答え2
★酸化的脱アミノ反応とはアミノ酸オキシダーゼによって起こる反応のこと。
アミノ酸と酸素が反応し、オキソ酸とアンモニアおよび過酸化水素を生成する反応のこと。
グルタミン酸はミトコンドリアにおいて、グルタミン酸デヒドロゲナーゼによって酸化的に脱アミノ化され、α-ケトグルタル酸になる。
これを酸化的脱アミノという。
PM問題41:1分子中に窒素を3つ有するのはどれか。
- 尿 酸
- 尿 素
- アンモニア
- ビリルビン
- クレアチニン
答えと解説
答え5
化学式を知らないと解けません。それぞれのNの数を見てみましょう。
- 尿酸C5H4N4O3
- 尿素CH4N2O
- アンモニアNH3
- ビリルビンC33H36N4O6
- クレアチニンC4H7N3O
PM問題42:ビタミンの欠乏と疾患の組合せで正しいのはどれか。
- ビタミンA 欠乏症 くる病
- ビタミンB1 欠乏症 悪性貧血
- ビタミンB12 欠乏症 Wernicke 脳症
- ビタミンD 欠乏症 夜盲症
- ビタミンK 欠乏症 新生児メレナ
答えと解説
答え5
PM問題43:細菌感染による敗血症で上昇しないのはどれか。
- CRP
- プレセプシン
- エンドトキシン
- プロカルシトニン
- (1→3)-β-D-グルカン
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答え5
- CRP→炎症で増加
- プレセプシン→敗血症
- エンドトキシン→グラム陰性菌感染
- プロカルシトニン→敗血症
- βDグルカン→真菌感染
PM問題44:肝臓の解毒機能の評価に用いられるのはどれか。2つ選べ。
- ICG 試験
- 血清 ALP 値
- 血中アンモニア値
- 血清コレステロール値
- プロトロンビン時間(PT)
答えと解説
答え1と3
- ICGやBSP試験は肝解毒機能を調べる
- 血中アンモニアも解毒機能を調べる
- ALPやコレステロールは肝機能障害をみる。ALPは上昇、CHOは低下
- PTは肝合成能を見る。肝機能低下でPT延長