過去問は厚労省ホームページより引用しております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_150873_139_140.html
臨床検査技師国家試験の過去問解説のまとめページです
第70回臨床検査医学総論PM問11~15
11 一次救命処置〈basic life support:BLS〉に含まれないのはどれか。
- 気道確保
- 胸骨圧迫心マッサージ
- 自動体外式除細動器〈AED〉の使用
- 静脈路確保
- 人工呼吸
解説:過去にもBLSの出題はあります。その時の図を使って補足説明していきます。
★一時救命措置手順
- 安全の確認
- 反応の確認
- 119番通報
- 呼吸、心停止の確認
- 胸骨圧迫心マッサージ
- 気道の確保
上記より、静脈路確保以外はBLSに含まれる。
静脈路確保は医療機関で行う二次救命処置(advanced life support)に含まれると考えるべき。
答え:4
12 慢性腎不全で上昇するのはどれか。
- 血清尿酸
- 血清総蛋白
- 糸球体濾過量
- 血清エリスロポエチン
- 血清活性型ビタミンD3
解説:慢性腎不全では、慢性的な糸球体濾過量の低下により様々な影響が出てきます。それらの状態によって検査データにも変動が出てきます。
選択肢を見ていくと。
- 血清尿酸
⇒排泄不良により上昇する。その他に、CRE、BUN、K、Cl、IPなども上昇する。 - 血清総蛋白
⇒腎障害により、蛋白尿になってくるので、血清TPは低下する。 - 糸球体濾過量
⇒腎機能を見る代表的な指標で、腎不全では低下する。 - 血清エリスロポエチン
⇒腎性貧血で低下する。 - 血清活性型ビタミンD3
⇒慢性腎不全で低値となる(腎臓はビタミンDを活性化する機能を持つため)
答え:1
13 診断の根拠になる自己抗体と疾患の組合せはどれか。
- 抗平滑筋抗体 リウマチ熱
- 抗ミトコンドリア抗体 強皮症
- 抗CCP抗体 Behçet病(ベーチェット病)
- 抗RNP抗体 混合性結合組織病〈MCTD〉
- 抗TSH受容体抗体 Sjögren症候群(シェーグレン症候群)
解説:自己抗体と疾患の問題も頻出問題だと思います。そもそも抗体の名前が意味不明だし、疾患もどういったものなのか想像がつきにくいです(稀な病気が多いため)こういった過去問から類似問題を大量に解き、クセを覚えていきましょう。大体出題される抗体と疾患は決まっているように思えます。
- 抗平滑筋抗体
⇒原発性硬化性胆管炎(PSC)、自己免疫性肝炎など - 抗ミトコンドリア抗体
⇒原発性胆汁性胆管炎など - 抗CCP抗体
⇒関節リウマチ - 抗RNP抗体
⇒混合性結合組織病 - 抗TSH受容体抗体
⇒バセドウ病、突発性甲状腺機能低下症など - 抗核抗体
⇒強皮症、シェーグレン症候群など - 抗SS-A、抗SS-B抗体
⇒シェーグレン症候群など
※混合性結合組織病
⇒全身性エリテマトーデス様・強皮症様・多発性筋炎や皮膚筋炎様のうち2つ以上の症状が混在する病気
答え:4
14 急性心筋梗塞発症時に血中濃度が上昇しないのはどれか。
- ALP
- CK-MB
- LD
- 心筋トロポニンT
- 心臓型脂肪酸結合蛋白〈H-FABP〉
解説:心筋梗塞のマーカーで、有名な語呂がありますので、それで覚えておくといいと思います。
★心筋梗塞マーカーと上がる順番(語呂合わせ)
- 見張っとく気ある?
- み(ミオグロビン)⇒はっ(白血球)と(トロニンT)くき(CK)あ(AST)る(LDH)?
上記語呂の他に、H-FABP(心臓由来脂肪酸結合蛋白定量 )も心筋細胞が障害を受けると、速やかに約1 時間から上昇しはじめ、5~10時間後でピークを迎えます。
答え:1
15 プリオン病はどれか。
- Alzheimer病
- Creutzfeldt-Jakob病
- Guillain-Barré症候群
- Parkinson病
- 進行性筋ジストロフィ
解説:プリオン病=狂牛病というイメージが僕の世代ではあります
(ニュースでやっていたため)
Creutzfeldt-Jakob病(クロイツフェルト・ヤコブ病)はプリオン病の代表例です。
その他の選択肢を見ていきます。
- Guillain-Barré 症候群(ギランバレー) ⇒ 自己免疫疾患
- Alzheimer病 (アルツハイマー)⇒ 神経細胞への異常蛋白の蓄積(アミロイドやタウ蛋白)
- Parkinson病 (パーキンソン)⇒ 神経細胞への異常蛋白の蓄積(アルファ-シヌクレイン)、ドーパミン欠乏
- 進行性筋ジストロフィ ⇒ 筋肉を構成する蛋白質の遺伝子変異
答え:2