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【臨床検査技師国家試験】第69回AM臨床化学【解説】

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SAI
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国家試験臨床化学AM問29~44です。

過去問は厚労省ホームページより引用しております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_150873_139_140.html

Table of Contents

第69回臨床化学AM29~44

29 グリコアルブミン(GA)について正しいのはどれか。

  1. 鉄欠乏性貧血で高値になる。
  2. 基準範囲は 6.2%以下である。
  3. 約 2 か月間の血糖値の平均を反映する。
  4. バリンに安定的に糖が結合したものである。
  5. 透析患者の血糖コントロールの指標に適している。

解説:まとめてみました。

【鉄欠乏性貧血と赤血球寿命】

鉄欠乏性貧血で高値になるのはHbA1cであり、GAではない。
鉄欠乏性貧血では代償性に赤血球の寿命が延び、結果HbA1Cは偽高値を示す。
逆に鉄剤を与薬することで幼弱赤血球が増え、赤血球寿命は縮みHbA1Cは偽低値を示す。

【HbA1Cについて】

  • 基準範囲:4.6~6.2 (%)(NGSP)
  • 約2ヶ月の平均血糖を示す
  • HbA1Cはアマドリ化合物と呼ばれる。
    アマドリ転移:ヘモグロビンβ鎖のN末端バリン残基にグルコースが結合したアマドリ化合物

GAは透析患者の血糖コントロール指標に適している。

グリコアルブミン(GA)は赤血球寿命の影響を受けない。
このため血液透析患者の血糖コントロール状態を正確に反映する。
加えてGA値が高いほど透析患者の予後が悪くなることが報告されたため、HbA1cに代わる指標として日常診療で使用されるようになった。

答え:5

30 血漿血糖値が高い順に並んでいるのはどれか。

  1. 静脈 > 動脈 > 毛細血管
  2. 静脈 > 毛細血管 > 動脈
  3. 動脈 > 静脈 > 毛細血管
  4. 動脈 > 毛細血管 > 静脈
  5. 毛細血管 > 静脈 > 動脈

解説:

さい
さい
血管の役割を考えると、納得しやすいかと思います。動脈を通り毛細血管を使って末梢まで行き渡らせる。そして静脈を使って還ってくる。こう考えると、間違えようがないですね。

答え:4

31 アポリポ蛋白と主要機能の組合せで誤っているのはどれか。

  1. A-Ⅰ LCAT の活性化
  2. B-100 VLDL の分泌
  3. B-48 カイロミクロンの分泌
  4. C-Ⅲ LPL の活性化
  5. E LDL 受容体との結合

解説:アポリポ蛋白は、名前も似ているし機能も似ており暗記が難しいです。
しかし、以下の表を覚えることでほとんどの問題はクリアできると思います。

答え:4

32 Michaelis-Menten の式について正しいのはどれか。 2 つ選べ。ただし、[S]は基質濃度、Vmax は最大反応速度、Km は Michaelis 定数とする。

  1. Km 値<<[S]のとき 1 次反応に近似する。
  2. 初速度法による[S]測定は 0 次反応領域で行う。
  3. Km 値が大きいほど酵素と基質の親和性は大きい。
  4. Km 値は反応速度が Vmax の 1/2 を示す[S]である。
  5. 終点分析法による[S]測定には Vmax が大きい酵素を使用する。

解説:ミカエリスメンテンの式の要点を理解しておけば、さほど苦労せずに答えは出てきます。

答え:4と5

33 血中濃度が低下するとテタニーを生じるのはどれか。

  1. Na+
  2. Ca2+
  3. Cl-
  4. HCO3-
  5. H2PO4-

解説:テタニーのおさらいです。

【テタニーの原因と症状】

過換気が重度となると血液中の二酸化炭素濃度が低下して、血中カルシウム濃度の低下が引き起こされ、テタニー症状(手足の痙攣)が出現する。
筋肉の収縮が起きるので痛みも出現する。

答え:2

34 誤っているのはどれか。

  1. 妊娠糖尿病ではインスリン抵抗性が低い。
  2. HbA1c の生成にはアマドリ転移が関与する。
  3. 腎臓の糖排泄閾値は 160~180 mg/dL である。
  4. ムタロターゼはグルコースの α 型から β 型への変換を行う。
  5. SGLT2(Sodium-glucose co-transporter 2)は近位尿細管に存在する。

解説:妊娠糖尿病について知っておきましょう。

②~⑤は正しい設問となります。

②:HbA1Cはアマドリ化合物。
アマドリ転移:ヘモグロビンβ鎖のN末端バリン残基にグルコースが結合したアマドリ化合物。

③:腎臓の糖排泄閾値は 160~180 mg/dL であり、これを超えてくると尿中にGluが排泄される。

④ムタロターゼはグルコースの α 型から β 型への変換を行うが、これはGlu測定法【GOD法】の測定原理として用いられている。

⑤SGLT2は近位尿細管に存在するが、臨床ではSGLT2阻害薬が用いられている。
尿に糖を出し、血糖値を下げる薬である。

答え:1

35 グリセロール骨格構造を含むのはどれか。 2 つ選べ。

  1. レチノール
  2. アラキドン酸
  3. トリグリセライド
  4. スフィンゴミエリン
  5. ホスファチジルエタノールアミン

解説:

★リン脂質の分類

  • グリセロリン脂質:グリセロールに脂肪酸、リン脂質含窒素化合物がエステル結合したもの
  • スフィンゴリン脂質:スフィンゴシン、脂肪酸、リン脂質、コリンがエステル結合したもの
リン脂質名 グリセロール 脂肪酸 リン酸 含窒素化合物
レシチン 1 2 1 コリン1
リゾレシチン 1 1 1 コリン1
ホスファチジン酸 1 2 1 なし
ホスファチジルセリン 1 2 1 セリン1
ホスファチジルエタノールアミン 1 2 1 エタノールアミン1
カルジオリピン 3 4 2 なし
スフィンゴミエリン スフィンゴシン1 1 1 コリン1

名前にスフィンゴとつくものはスフィンゴリン脂質であり、グリセロリン脂質ではない。表のグリセロールの数を見ても、スフィンゴミエリンにはグリセロールは含まれていない

脂肪酸が3分子結合したトリグリセリドはトリグリセライド、トリアシルグリセロールとも呼ばれる。

答え:3と5

36 実効線量を表す単位はどれか。

  1. Bq
  2. C・kg-1
  3. eV
  4. Gy
  5. Sv

解説:単位は覚えるしかないです。あまり使わないので忘れがちですが、国家試験の間だけでも覚えておきましょう!

Bq:放射能
C・kg-1:照射線量 
eV:放射線エネルギー
Gy:吸収線量
Sv:線量当量(実効線量)

答え:5

37 塩基性アミノ酸はどれか。 2 つ選べ。

  1. プロリン
  2. アルギニン
  3. ヒスチジン
  4. メチオニン
  5. トリプトファン

解説:必須アミノ酸の一覧を載せています。

答え:2と3

38 溶液 A を 30 倍希釈して吸光度を測定したとき、0.300 であった。この物質の測定波長におけるモル吸光係数を 6,000 L・mol-1・cm-1 とすると、溶液 A の濃度は何 mmol/L か。ただし、使用した光路長は 1.0 cm とする。

  1. 0.15
  2. 1.5
  3. 15
  4. 150
  5. 1,500

解説:ランベルト・ベール法則に代入すると簡単に解くことができます。

イメージしやすいように図を添付します。

★ランベルト・ベールの法則

  • A(吸光度)=ε(吸光係数)・c(濃度mol/l)・l(光路長)
  • A(吸光度)=2-logT
    T(透過率)=透過光It / 入射光I0
    logの低は10

A=ε・c・lに代入します。
0.3=6000×(溶液)A×1
6000A=0.3
A=0.00005
30倍なので0.00005×30=0.0015
mmolからmolに直すと0.0015×1000=1.5

さい
さい
mmol/lをmol/lに直す作業が忘れがちです。設問の桁がおかしいので気づき易いですが、注意しましょう。乗数を使えばもうちょっとスマートに書けますが、まぁ使うまでもない単純計算だということが伝わっていただければ幸いです。

答え:2

39 MALDI-TOF-MS による物質測定で正しいのはどれか。

  1. 分子量の大きい物質ほど早く飛行する。
  2. 飛行速度は物質の電荷の影響を受けない。
  3. 測定対象物質は大気圧の空気中を飛行する。
  4. イオン化はレーザーのパルス照射により行う。
  5. タンデム質量分析装置は 2 台の質量分析部を並列に接続する。

解説:近年、質量分析の問題がよく出されています。

【参考文献】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/massspec/71/1/71_S23-04/_pdf/-char/ja

試験に出た質量分析(4)~第65回臨床検査技師国家試験問題(平成31年)

一度読むと理解度が格段に変わると思います。

設問を直すと以下になります。

  1. 分子量の小さい物質ほど早く飛行する
  2. 飛行速度は物質の電荷の影響を受ける
  3. 測定対象物質は真空中を飛行する。
  4. イオン化はレーザーのパルス照射により行う。
  5. タンデム質量分析装置は 2 台の質量分析部を直列に接続する。

上に貼った文献を読むだけで1~4は解けると思います。
⑤は新しい知識として覚えてしまいましょう。

答え:4

40 ALP アイソザイムについて誤っているのはどれか。

  1. 胎盤型は耐熱性である。
  2. 骨型は成人よりも小児で高い。
  3. 小腸型は高脂肪食で上昇する。
  4. 高分子肝型は閉塞性黄疸で上昇する。
  5. 免疫グロブリン結合型は電気泳動で最も陽極側に検出される。

解説ALPアイソザイムのまとめです。

この表より①~④が正しいことがわかります。

免疫グロブリンは電気泳動では陽極ではなく、陰極側に泳動されます。

答え:5

41 二重の膜構造を有するのはどれか。 2 つ選べ。

  1. ゴルジ体
  2. リソソーム
  3. ミトコンドリア
  4. ペルオキシソーム

解説:細胞の模式図です。イメージしやすいようにつけてみました。

イラストが以外にもヒントになっています笑
核とミトコンドリア、膜があるように見えませんか?

★二重膜構造をもつもの(内膜と外膜を持つもの)

  • ミトコンドリア
  • 細胞膜

答え:1と4

42 血中 LD/AST 比が 1 のとき、最も考えられるのはどれか。

  1. 白血病
  2. 急性肝炎
  3. 心筋梗塞
  4. 多発性筋炎
  5. 溶血性貧血

解説:基準値を何となくでも知っておくと解きやすいですね。酵素系の基準値を載せておきます。

LDは124~222であり、ASTは13~30です。
LD/ASTが1ということは、ASTが124~222辺りの高値になっていることが予測できます。

ASTは肝炎で高値になりやすく、他の設問ではおおむねLDが高値になる疾患となっています。個人的には、ASTでなくALTにしてほしかったです笑(ALTの方が肝に特異的なため)

答え:2

43 欠乏すると巨赤芽球性貧血を引き起こすのはどれか。 2 つ選べ。

  1. 葉 酸
  2. ビタミン B6
  3. ビタミン B12
  4. ビタミン C
  5. ビタミン K

解説:巨赤芽球性貧血といえば、葉酸とビタミンB12です。

参考までに水溶性ビタミン欠乏症のまとめも載せておきます。

答え:1と3

44 ビタミン B6 の誘導体を補酵素とするのはどれか。

  1. ALP
  2. AMY
  3. AST
  4. LD
  5. γ-GT

解説:ビタミンB6(ピリドキサルリン酸)の誘導体を補酵素とするものは、ASTとALTです。

さい
さい
覚えるしかないです!が!ピリドキサールリン酸はよくでますので、セットで覚えてしまいましょう!

答え:3