過去問は厚労省ホームページより引用しております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_150873_139_140.html
第68回PM臨床化学
PM問題29:水溶性ビタミンはどれか。2つ選べ。
- ビタミン A
- ビタミン C
- ビタミン E
- ビタミン K
- 葉 酸
答えと解説
答え2と5
水溶性、脂溶性の分類ができれば楽勝です。ビタミンB群とビタミンCが水溶性と覚えれば大丈夫でしょう。
PM問題30:尿を検体として測定するのはどれか。
- オステオカルシン〈OC〉
- 骨型アルカリホスファターゼ〈BAP〉
- Ⅰ型コラーゲン架橋 C テロペプチド〈CTX〉
- Ⅰ型プロコラーゲン C プロペプチド〈PICP〉
- Ⅰ型プロコラーゲン N プロペプチド〈PINP〉
答えと解説
答え3
検査材料の問題です。
いずれも整形外科領域の検査項目ですが、こんなマニアックな問題を出すのかと思いました。
1型コラーゲン架橋Cテロペプチドだけが尿検体で測ります。他は全て血清です。
PM問題31:過酸化水素・ペルオキシダーゼ系呈色反応に必要な試薬はどれか。2つ選べ。
- ADP
- NAD(P)H
- フェノール
- 4-ニトロフェノール
- 4-アミノアンチピリン
答えと解説
答え3と5
必要な試薬では、フェノール性化合物やアニリン誘導体などが知られている。4- アミノアンチピリン (4-AA) や 3-メチル 2- ベンゾチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)などのカップリング剤と一緒に用いられる。
PM問題32:放射線に関する物理量と単位の組合せで正しいのはどれか。
- 放射能 eV
- 吸収線量 C・kg-1
- 照射線量 Gy
- 線量当量 Sv
- 放射線のエネルギー Bq
答えと解説
答え4
- Bq(ベクレル):放射性核種の崩壊する原子数
1Bq=1.0dps(数/秒) - Sv(シーベルト):被ばく線量当量
- Gy(グレイ):吸収線量
- R(レントゲン):照射線量
- C/kg:照射線量
- eV(エレクトロンボルト):放射線のエネルギーの強さ
PM問題33:直接ビリルビンが高値を示すのはどれか。
- 新生児黄疸
- 溶血性貧血
- Gilbert 症候群
- Crigler-Najjar 症候群
- Dubin-Johnson 症候群
答えと解説
答え5
直接ビリルビンが増えるということは、胆道系が阻害されている病態。Dubin-Johnson 症候群(デュビンジョンソン):抱合型ビリルビンの胆汁への排泄障害をきたす常染色体劣性遺伝性疾患
新生児黄疸(間接BIL産生増加速度>直接BIL産生速度)、溶血性貧血(間接ビリルビン増加)、ジルベール症候群(グルクロン酸抱合障害)、クリグラーナジャー症候群(グルクロン酸抱合障害)はいずれも間接ビリルビンが増加する。
PM問題34:CK-MB が著しく上昇する疾患はどれか。
- 心筋炎
- 皮膚筋炎
- 重症筋無力症
- 筋萎縮性側索硬化症
- Duchenne 型筋ジストロフィー
答えと解説
答え1
CKアイソザイムの一つ、CKMBは心筋由来。主に心筋障害や虚血性心疾患で増加する。
MMが骨格筋由来。BBは急性脳症などで増加。
PM問題35:アミラーゼについて誤っているのはどれか。
- α1,4-グリコシド結合を分解する。
- 活性化にはクロールイオンが必要である。
- カルシウムイオンを含有する酵素である。
- 膵臓型は唾液腺型よりも分子量が大きい。
- 日本臨床化学会(JSCC)勧告法では共役酵素を用いる。
答えと解説
答え4
膵臓型(P型)分子量:約5万4000~6万
唾液型(S型)分子量:5万6000~6万5000
PM問題36:eGFR の計算に使用するのはどれか。2つ選べ。
- 身 長
- 体 重
- 年 齢
- 血清クレアチニン濃度
- 尿中クレアチニン濃度
答えと解説
答え3と4
計算に必要な項目
- 血清CRE値
- 年齢
- 性別
PM問題37:レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ〈LCAT〉を活性化するのはどれか。
- アポ A1
- アポ A2
- アポ B100
- アポ C3
- アポ E
答えと解説
答え1
- アポA1:LCATを活性化する(HDLにアポA1、A2が50%を占める)
- アポB100:LDLの約20%を占める(肝由来)VLDLの主要アポ蛋白
- アポC:VLDLの主要アポ蛋白、カイロミクロンの主要アポ蛋白
- アポE:カイロミクロン、VLDL、HDLの主要アポ蛋白
PM問題38:ビウレット法でキレート呈色反応を示すのはどれか。
- 鉄イオン
- 銅イオン
- 亜鉛イオン
- カルシウムイオン
- マグネシウムイオン
答えと解説
答え2
- NaOHによる強力なアルカリ性下でたんぱく質のペプチド結合と銅イオンがキレート結合し、生じる赤紫色を545nmで比色定量する方法
PM問題39:血中半減期が最も短いのはどれか。
- ALT
- AMY
- AST
- CK
- LD5
答えと解説
答え2
血中半減期
- ALT:41時間
- AMY:2時間
- AST:11~15時間
- CK:12時間
- LD5:9時間(LDアイソはそれぞれ半減期が異なる)
PM問題40:血中薬物濃度モニタリングの対象にならないのはどれか。
- ジゴキシン
- バルプロ酸
- テオフィリン
- ワルファリン
- バンコマイシン
答えと解説
答え4
TDMが必要な条件
- 薬の有効域が狭く、中毒域がそばにある
- 薬の効きめの強さや副作用の発現が血中濃度と関連性がある
- 測定できる分析機器がある
PM問題41:インスリンの分泌を抑制するのはどれか。
- アミノ酸
- グルカゴン
- グルコース
- インクレチン
- ソマトスタチン
答えと解説
答え5
インスリンの分泌を抑制するもの
- ソマトスタチン
インスリンの分泌を亢進するもの
- アミノ酸(アルギニン)
- グルコース
- インクレチン
グルカゴンは、血糖値を上昇させるもの
PM問題42:酸化還元酵素はどれか。
- CK
- LD
- ALT
- AST
- γ-GT
答えと解説
答え2
PM問題43:Lambert-Beer の法則が成り立つ条件で、15 μmol の物質 A を X mL のイオン交換水に溶解し、光路長 10 mm のセルで吸光度を測定したところ 0.945 であった。A のモル吸光度係数を 6.3 ×103L・mol-1・cm-1とすると X はどれか。
- 2
- 10
- 50
- 100
- 200
答えと解説
答え4
ランベルトベールの法則を使います。
A=a×b×cに代入していきます
吸光度(0.945)=モル吸光係数(6.3×103)×光路長【cm】(1)×濃度(C)
簡潔に書くと
0.945=(6.3×103)×1×C
この中で未知な項は濃度(C)だけです。
濃度をどう表すことができるか考えてみましょう。問題文を見てみると、15μmolの物質をXmLの溶液に溶かしたとあります。
つまり、15μmol/XmLとなります。
通常、容量モル濃度はmol/Lで表しますよね。15μmol/XmL はmLなので、ここを L に直しましょう。(μ=10-6、m=10-3より)
C=15mmol/XL(15×10-3mol/XL)とすることができます。
つまり、0.945=(6.3×103)×1×15×10-3mol/XL
この式をXについて整理していくと、答えを導くことができます。
103と10-3は打ち消せますので0.945=6.3×1×15/X
0.945=94.5/X
0.945X=94.5
X=100
PM問題44:炭化水素鎖中に1つの二重結合を持つ脂肪酸はどれか。
- オレイン酸
- リノール酸
- ステアリン酸
- パルミチン酸
- α-リノレン酸