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【臨床検査技師国家試験】第69回PM医用工学概論【解説】

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国家試験医用工学概論PM問95~100です。

過去問は厚労省ホームページより引用しております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics_150873_139_140.html

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臨床検査技師国家試験解説集 

第69回医用工学概論PM95~100

問題 95 正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 濡れたガラス製の測容器は乾熱滅菌器で乾燥させる
  2. 定量の溶液の作成は物質の溶解を測容器の中で行う
  3. メスフラスコの検定公差はメスシリンダーより大きい
  4. 測容器は 20℃で表示容積になるように製造されている
  5. オストワルドピペットは粘性の大きい試料の採取に適する

解説:設問に対し補足しつつ説明をしていきます。

  • 濡れたガラス製の測容器を乾熱滅菌器で乾燥させると容積が変化し、測容器の役割を果たさなくなる可能性があるので、乾熱滅菌はしない
  • 定量の溶液の作成は物質の溶解を測容器の中ではなく、反応容器で行う
  • メスフラスコの検定公差はメスシリンダーより小さい
  • 測容器は 20℃で表示容積になるように製造されている(正)
  • オストワルドピペットは粘性の大きい試料の採取に適する(正)

ホールピペットとオストワルドピペットの使い分け

  • ホールピペット
    粘度の低い試薬や水溶液に使用
  • オストワルドピペット
    粘度の高い試薬や血液などに使用

答え4と5

問題 96 DNA シークエンサーの原理(Sanger 法)について誤っているのはどれか

  1. 塩基欠失を検出できる
  2. ダイターミネーター法が用いられる
  3. ddNTP と dNTP を混ぜて PCR を行う
    ※(ddNTP:ジデオキシヌクレオチド3リン酸、dNTP:デオキシヌクレオチド3リン酸)
  4. 電気泳動ではDNA断片が短いほど早く流れる
  5. ddNTPがDNA合成反応に取り込まれてもDNA伸長は継続する

解説:DNAシークエンサー(Sanger法)について知識を持っておきましょう。

★DNAシークエンサーとは

DNA(核酸)を構成する4つの塩基である
アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の配列を決定すること

★サンガー法(ダイターミネーター法)の原理

(ジデオキシヌクレオチド三リン酸:ddNTP)を用いて PCR を行うと、配列上のそれぞれの部位で伸長反応の停止した断片が形成される
この断片を泳動により塩基長で分離すれば蛍光強度により塩基配列を決定できる

特徴(設問を含む)

  • 塩基欠失を検出できる
  • ダイターミネーター法が用いられる
  • ddNTP と dNTP を混ぜて PCR を行う
    ※(ddNTP:ジデオキシヌクレオチド3リン酸、dNTP:デオキシヌクレオチド3リン酸)
  • 電気泳動ではDNA断片が短いほど早く流れる
  • ddNTPがDNA合成反応に取り込まれてもDNA伸長は停止する

ddNTPはヌクレオチドの3′末端を-OH基ではなく-H基に改変したもの。
これによりddNTPが伸長反応でDNA鎖に取り込まれると、次の塩基が結合できず伸長が停止する仕組み。
ddNTPの各塩基は4種の蛍光色素で標識されており、DNAシークエンサーにより1塩基ずつ読み取られる。

答え5

問題 97 電子レンジと同じ 2.4 GHz の電波を使用しているのはどれか。2 つ選べ。

  1. Bluetooth
  2. GPS
  3. HDMI
  4. USB
  5. Wi-Fi

解説:設問はどれも聞き覚えのある規格であり、知っていると解ける問題なので覚えておきましょう。

  • Bluetooth(2.4GHz)
  • Wi-Fi(2.4GHz、5GHz)
  • GPS L1波(1575.42MHz)、L2波(1227.60MHz)
    L5波(1176.45MHz)
  • HDMI 映像、音声を1本のケーブルでデジタル通信するインターフェイス規格
    PC、テレビ、ゲーム機などに搭載されてます
  • USB コンピュータと周辺機器を接続するための規格

答え1と5

問題 98 判断を表すフローチャート記号はどれか

解説:フローチャート記号で試験に出題されたものを集めてみました。知ってたら即答ですが、知らないと全くわかりませんね。

国家試験に出るものは下の一覧のような基本的なものだけ覚えればいいのではと思います。

答え4

問題 99 遠心分離機において、回転数を 1/2 にすると遠心力は何倍になるか。

  1. 1/4
  2. 1/2
  3. 1
  4. 2
  5. 4

解説:急に物理みたいな問題ですが、遠心力の公式を知っていれば楽勝です。この問題で、結果をイメージで覚えてしまってもいいと思います。

★遠心力(F)の公式

  • F=mrω2
    m(質量)r(半径)ω(回転角速度)

上式で表されるため、転角速度ωの2乗に比例する

※ある点Oのまわりで点Pが回転運動をするとき、その回転運動している平面において動径OPが単位時間当たりに回転する角度、つまり角度の時間変化率を角速度と定義する

回転数を1/2にすると回転角速度ωも1/2になるため、遠心力は1/4になる。

(1/22)=1/4

回転数を1/2にすると遠心力も1/2になりそうなイメージだけど、実際には1/4になるって覚えてしまってもいいかもしれないですね。応用で考えると回転数を2倍にすると遠心力は22で4倍になります

答え1

問題 100 1000 種類の検査項目をコード化する場合、最小限必要な記憶容量[bit]はどれか

  1. 6
  2. 7
  3. 8
  4. 9
  5. 10

解説
1bitはコンピュータや情報理論におけるデータの最小単位であり、1bitは0、1の2進数の1桁で2つの状態を表すことができる。
下表のようになる。

1bit:21 = 2通り
2bit:22 = 4通り
3Bit:23 = 8通り
8bit:28 = 256通り
10bit:210=1024通り
16bit:216 = 65536通り

上表を参考にすると1000種類の検査項目に一意なコードを割り振るためには最小限10bit必要。

答え5

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