- 健診を受けたいけど時間を取れない
- 病院に行くのが面倒
- 病院の長時間拘束が嫌だ
- 健診受けても結果が遅い
こういった悩みを持っている方は多いのではないでしょうか?
日本人の3割は健康診断を受けておらず、がん検診となると5割も受けていないという統計データがあります。
※がんは日本人の死因第1位(26.5%)とされており、2位の心疾患よりも高リスクです。
自宅で、健康診断、がん検診ができたらなぁと思いませんか?
この記事では、自分で血液や尿を採取し、郵送するだけで検査ができる「おうちでドック」について臨床検査技師(血液や尿検査の専門家)の僕が、医療人目線で評価、解説をしていきたいと思います。
まず、軽く自己紹介です。
※臨床検査技師とは
医療機関で検体(血液など)の検査を行う「検査の専門家」です。
この記事では、検体検査の専門家である臨床検査技師の視点からおうちでドックを下記の目次内容で調査したので、解説していきたいと思います。
調査した結果
おうちでドックを徹底的に調べてみました。
結論から言うと「おうちでドック」は健康診断やがん検診を受けていない方(忙しくて時間の取れない方、主婦の方など)におススメのサービスであることがわかりました。
調査をした上でわかった、このサービスのセールスポイントを見つけましたので簡単にまとめます。
- 自宅で簡単に検査ができる(数滴の採血と採尿後郵送)
- 病院と同等の検査精度
- 健康相談チャットと医師紹介サービスが6か月間無料で使える。通常有料(1万円~)
- がん検診では「p53抗体」という初期のがんに有効な抗体検査を施行している
- おうちでドックのアンケート回答者で94%の人が満足
おうちでドックってどんな会社?
「おうちでドック」は2014年に設立した「ハルメクベンチャーズ株式会社」
という東京都千代田区に本社を置く企業が提供しているサービスです。
事業内容は以下のものでした。
- 「おうちでドック」を主体としたヘルスチェック(生活習慣病、がんリスク、ピロリ菌)
- 認知機能低下リスク評価サービス
- ヘルスソリューション事業
- その他新規事業の創造
近年、医療の進歩は目を見張るものがあり、そういった医療分野の進歩を担っているベンチャー企業のようです。
血液検査、尿検査による生活習慣病を始め、がんの検査を行い、医師との連携もとりつつチーム医療を展開していました。
また、東京大学の研究・発明をベースに企業展開した認知機能低下リスク評価サービスも血液データでできるとのことで、驚きました。
精度はどうなのか?
(株)ハルメク・ベンチャーズ及び「おうちでドック」のHPを調査した結果、検査の精度は病院と同等ということがわかりました。
病院と同等と言っても、僕の立場からすると検査方法によって変わってくるので、そこのところも調べてみました。(病院間でも検査方法によって精度はバラバラだからです)
臨床検査機関と同じ検査方法、分析機器で実施しており、検査精度は病院と同等です。
ハルメク・ベンチャーズ株式会社より引用
https://dock.ouchide.biz/faq/knowledge-base/inspection-accuracy/
専門的な話になり、恐縮なのですが
分析機器というのが何を指しているかによりますが、一般的にドライケムやPOCTという検査方法であれば大病院や検査センターで使用している汎用分析装置よりも精度は落ちます。
しかし、ホームページ内に、採血を失敗したらどうしたらいいか?というQ&Aに「検査センターより新しい採血管を無料にて送付します」といった回答がありました。
採取された検体は、検査センターへ外注され結果を得ているようです。
すなわち、検査結果が病院と同等というのは、誇張表現ではないと推察します。
そもそも、ドライケム検査やPOCT検査は超微量の検体では検査できません。
自宅で検査とは?
- 採血を自宅で実施
- 郵送後、検査センターで検査される
- 結果を郵送でもらう
簡単な流れは上記のようになります。
採血と言ってもランセットという特殊な穿刺器具を使って行うもので、簡易に誰でもできます。
ランセット採血は痛みもほぼありません。
バネの力で穿刺針が出て血液が出ますが、深さも数ミリしか物理的に出ないため、痛みがあったとしても少しジーンと痺れる程度です。
手順を以下に紹介します。
検査手順(血液)
動画もありましたので載せておきます。
検査手順(尿)
動画も載せておきます。
血液に比べたら簡単です。
採取して、容器に移しておしまいです。
口コミはどう?
おうちでドックHPより引用https://dock.ouchide.biz/voice-list/
- 従業員や家族のために健康でいたいけれど、 忙しすぎて検診に行けなかったので、本当に助かりました!(50代男性)
- 8ヶ月で体脂肪率を10%も落とすダイエットに成功!(40代女性)
Twitterより引用
- おうちでドックの結果が返ってきた( ´・‿・`)1つだけスコア1の違いでギリギリBになってしまった以外は完璧な結果で良かった。(Twitter)
口コミが思ったより見つからなかったですが、実際に検査を行っている人は多いようです。
※おうちでドックHPより
おうちでドックの検査でどんなことがわかるの?
報告書を見て検査項目を調べました。
男性用と女性用のキットがありそれぞれ腫瘍マーカーの箇所で検査項目の一部が異なるようです。
男女で異なる検査項目(がん検査)
- PSA(前立腺がんのマーカー:前立腺は男性しかありません)
- CA15-3(乳がんのマーカー:乳がんリスクは性差があり、女性が圧倒的に多い)
報告書サンプルより
※おうちでドックHPより
男性
- 腫瘍マーカー:PSA(前立腺)、p53抗体(大腸、食道)
- 肥満度:BMI、腹囲(cm)
- 高血圧:最高血圧、最低血圧
- 栄養障害:総コレステロール、総タンパク、アルブミン
- 脂質代謝異常:総コレステロール、HDLコレステロール
- 動脈硬化:総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪
- 糖尿病:血糖値、HbA1C、尿糖
- 腎機能障害:尿タンパク、クレアチニン、尿素窒素
- 痛風・尿路結石:尿酸
- 肝機能障害:尿素窒素、アルブミン、AST、ALT、γ-GTP
女性
腫瘍マーカー:CA15-3(乳がん)、p53抗体(大腸、食道、子宮、乳がん)
- 肥満度:BMI、腹囲(cm)
- 高血圧:最高血圧、最低血圧
- 栄養障害:総コレステロール、総タンパク、アルブミン
- 脂質代謝異常:総コレステロール、HDLコレステロール
- 動脈硬化:総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪
- 糖尿病:血糖値、HbA1C、尿糖
- 腎機能障害:尿タンパク、クレアチニン、尿素窒素
- 痛風・尿路結石:尿酸
- 肝機能障害:尿素窒素、アルブミン、AST、ALT、γ-GTP
家族用もあります
ピロリ検査
血清ピロリ抗体と、ペプシノゲンという物質を測定し胃がんのリスクをABC分類という形で測ることができます。
おうちでドックはこういった人にすすめたい
- 病院に行くのが面倒だと感じている人
- 健診にずっと行っていない人
- がん家系であり、がん検診をしていない人
- 主婦の方(健診が無い)
- フリーランスの方
上記の人には特におススメです。
病院に行かずに、手広くスクリーニング検査ができるのは非常に評価できるポイントだと思います。
おうちでドックを使うにあたり注意すること
費用がかかる
「おうちでドック」は保険適応外ですので、結構なお値段がします。商品は全部で9種類のようです。
詳しくは公式ページをご確認して頂きたいのですが(値段変更等あるかもしれないので)、ざっくり載せておきます。
がん単体 | 16,500円 |
---|---|
生活習慣病(血液+尿) | 9,350円 |
がん+生活習慣 | 25,850円 → セット価格で21780円 |
がん2個セット | 29,700円 |
胃がんリスクチェック | 11,000円 |
がん+生活習慣+認知 | 23,870円 |
がん+生活習慣+認知(男女) | 42,966円 |
生活習慣(血液、尿)+認知 | 11,440円 |
生活習慣(血液)+認知 | 10,340円 |
最低価格でも1万円以上しますね。
病院に行かずとも検査ができる事を考えれば・・・というところでしょうか。
メリットとデメリット
メリット
アフターフォローがある
検査だけで終了じゃないのが強みでしょう。
おそらく形式的な回答になることが予想されますが、医師から指示を受けることができるのは大きいと思います。
★形式的な回答になりそうな理由(僕の主観です)
- 異常=次の検査(精査)を促すため
- 結果の相談=基準値などの説明はあっても、気になるなら医療機関を受診してくださいとなりそうなため
デメリット
あくまで検体検査のみ
検査項目は充実していますが、結局は検体検査のみです。
異常があれば、医師の指導は受けれますが病院に行くのは必須となります。
そこで、画像検査やさらに詳しい検査が必要になれば、再度行うことになります。(通常の健診と同じです)
あくまで病気の早期発見に特化したサービスです
まとめ
おうちでドックは下記の方には多少値段は張るものの、本当におススメできるサービスです。
- 病院に行くのが面倒だと感じている人
- 健診にずっと行っていない人
- がん家系であり、がん検診をしていない人
- 主婦の方(健診が無い)
- フリーランスの方
男性、女性、家族と別になっていますが、公式ページより各種販売ページに飛べますので、興味のある方は一度見てみてください。
日本人の死因第一位はがんなのに、5割の人はがん検診をしていないという事実。がんも早い段階で見つけることができれば治せる病気です。最低でも年に1度は検査をするようにしましょう。病院でなくとも検査のできるサービスでした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。